

城所理事長コラム
〜第21回〜 「問題は国がどう動くか」
そうした平成七年十月のある日のことです。突然「建設省東京国道事務所長のSです」と名乗る電話がかかってきました。
えっと聞き返すわたしに「三年前、駐車場対策室にいたSですよ」と。そして「城所さん、あなたの宿題を果たすことにしました。今度、その宿題を果たすことができる東京国道事務所長という立場に赴任することになったのです」とおっしゃるではありませんか。
驚くわたしに、追いかぶせるように「たった今、あなたの宿題を果たす内容の記者発表をしたところですので、その内容をファックスします」と・・・・そして実際ファックスからペーパーが出てきました。そのペーパーを見て、またまたビックリ。あの三年前にTさんやMさんに描いていただいた駐車場のマスタープランどおりの図面が載った、新聞発表用のリリースだったのです。
本当に驚き、そして感激しました。すぐ、お礼の電話をしたのはもちろんですが、TさんにもMさんにも、そしてトーク21や商店会のおもだった方々に嬉しくて電話をしまくりました。
一見あの無愛想な表情と取り付く島もないような態度で「個人的興味」とうっちゃられてしまったと思っていた、その対応とのあまりに大きい落差に、どちらかといえば無骨な印象のお役人ならではのシャレっけを感じ、もう感動的ですらありました。
わたしどもの申し出は、何しろ前例のない話で、三年前たしかにSさんは言葉どおり「個人的に強い興味を覚え」たものの、当時は権限もない立場だったのでじっと我慢を決め込み、この間ずっと机の中と胸中にマスタープランをあたためて、そして頭の中で実現への秘策を練っておられたのでしょう。
Sさんは、若いキャリア官僚だったとのことです。古参とはちがって、あのとき若い柔軟な頭脳で受け止めてくださっていたのです。
やがて、それを実現できる権限のある役職に就いたとたん、建設省はじまって以来のプランを実地に移すことを断固として決め、一気に新聞発表までなさってしまったというわけです。
赤坂公共地下駐車場は、みんなでドカンと打ち上げた花火のようなものです。もちろん「みんな」とは、そのSさんであり、TさんやMさんであり、またトーク赤坂21や商店街のメンバーたちです。わたしも、その「みんな」に名を列ねさせていただいていいでしょう。
この公共地下駐車場の建設には、さらに後日談がありますが、それは、あらためて後述します。br>
商店街振興組合
エスプラナードアカサカ
理事長 城所 ひとみ


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