城所理事長コラム 〜第42回〜 『「女だからこそ」を素直に受け止めたい』 商店街振興組合エスプラナードアカサカの理事長として、港区や東京都、あるいは国へお願いに行って、しばしば、こちらが女ゆえに男性の担当者がなにかと便宜をはかってくださったことを先にお話しました。 この間、わたしは「女だから」と甘えたことは一度たりともありません。でも、たくさんの男の人が、わたしが女だったからこそ「なんとか力になってやろう」とナイト精神を発揮してくださったのだろうとは思います。 それは、いま現に男社会であるなかで、物珍しさも手伝って希少価値の生んだ効能だと、わたしは素直に受け止めています。 いまわたしが携わっている、商店街をどうするか、地域社会をどうするか、といった内容が問われる世界は、本来なまぐさい「性」とは別なカテゴリーで論ずべき世界の話です。ここで、ことさらオンナだオトコだと「性」を強調して、どろどろした情念の世界に話題を引っ張るつもりはありません。 ただ異性が健全に刺激してくれるうきうきした活気というものは、社会をつややかにしてくれるでしょう。あるいは日常生活を潤いあるものにする、といっていいかもしれません。 こういう世の中だから、つややかさを失わずに、物事を進めたいものです。たとえば商店会が区や都、あるいは国に何かをしてもらおうと考えたときに、それが当然なんだから「要求する」というのは、どうなのでしょう。 もちろん主張すべきところは、わたしも強く訴え、ときにはケンカ腰だったこともあります。でも、基本的には「お願いに行く」という態度で接しました。それで、たいていスムーズに事が運びました。もし「やってくれて当たり前」と要求していたら、それこそ何事も書類を万全に整えて各方面に根回しし、ようやくOKサインが出るまで三年、そして実現するまでに五年もかかっていたかもしれません。 それを早く実現するために、女性特有のつややかな接し方で「よろしくお願いします」という態度をとったからといって、プライドが傷つくわけでもないでしょう。それで傷つくようなプライドだったら、男社会を相手に渡り歩くような立場にならないことです。そして「ありがとうございます」という感謝の気持を忘れなかったら、何事もうまくいきます。 わたしは「つややか」という言葉が好きです。 それを漢字で書きますと「艶やか」となって、少々エロティックな表現に近づきます。そういう面があることは否定しようが無いのですが、やはり平仮名の「つややか」としたほうが、つまり人間関係一般や社会を成り立たせている潤滑油のような意味合いや、潤いある人生を送るいきいきした心根を表現するのに、ふさわしいような気がするのです。 また「しなやか」という言葉もすきです。硬直しているのではなく柔軟で、弾力性があって、しなやかに・・・というのは、柳のように結局は強靭だと思うのです。 たまたま商店会の活動をになう立場になって、つややかに生きたいわたしは、その求める目標として掲げようとしたときに「身だしなみの良い街に」という表現が浮かび、そうして街をおしゃれでエレガントなおとなの美意識で装いたいと思いました。 そのように、しなやかに取り組んでみたら、おしゃれな商店街「エスプラナード赤坂通り」が生まれたのです。 商店街振興組合 エスプラナードアカサカ 理事長 城所 ひとみ 商店街振興組合エスプラナードアカサカ 〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-5 赤坂クインビル4階 TEL:03-5561-9125 FAX:03-5561-9128