城所理事長コラム 〜第35回〜 「『ほんとうの酒』がとりもった港区長とのご縁(後編)」 ここで「ほんとうの」といったのには、わけがあります。その「天の川」のマネジャーIさんとは、すでに顔なじみです。 あるとき、テレビで「日本で初めて女性の日本酒ソムリエが誕生した」というニュースが報じられました。じつはソムリエというのは利き酒ならぬ利きワインを生業としている人のことで、日本酒の場合は、正しくはソムリエではなく「利き酒師」というのだとは、その番組で知ったことです。 その番号を見ていて、どうしても日本で初めての女性で「利き酒師」になったという彼女に会いたくなり、例によって思い立ったが吉日と、その勤め先が「天の川」だと知って訪ねたことがあったのです。 そして、いきなり「わたしは日本酒というのは二合くらいまでがいちばん美味しいと感じるのですが、Iさんは、いかがですか?」と質問したのです。 すると「ええ、そうですよ」という答えが返ってきて、それに気をよくして彼女との交友を申し出、それ以来のお付き合いです。 お酒が好きなわたしも、酒豪というわけではありません。せいぜい徳利二本が、実際とても美味と感じて楽しむ程度です。それでIさんに質問したわけですが、その返事がイエスということだったので、すっかりわたしも通だとひとり悦に入って、以来なお日本酒が好きになったというわけです。 その日、わたしは少し早めに「天の川」に行って、彼女に事情を話しました。すると彼女は、面白がって「ほんとうの日本酒の飲み方をご用意しましょう」と言ってくれます。 さて区長さんがお見えになりました。で、まず彼女が出したのが、きれいな飲み口のキレがある吟醸酒でした。それは美味ですが、さらっとしたお酒です。案の定、Iさんが狙ったとおりS区長は少し物足りなさそうに見えました。 ちょっと物足りたにかなと思ってしまうタイミングで次に出てきたのが、わたしが事前に伝えた情報で彼女が「そういう方だったら、ぴったり」と用意した純米大吟醸の「大七」という銘柄です。これは、どーんとこたえる飲み口で、日本酒の醍醐味を味わえるお酒です。 こうして、区長さんは「就任して何度か酒席に出たが、仕事だからウイスキーの水割りをちょっと口にするだけだった。せっかく好きな日本酒を飲んでも、ゆっくり味わえないからね。でも今日は、ほんとうに美味い日本酒を楽しむことができた」と、ご満悦でした。ひとしきりIさんを交えて酒談義が続きました。 区長さんの顔は、美しく赤らんできました。そうして興にのったところで、わたしは熱く街づくり構想を語りました。 こうなるとS区長、「わたしが在任するかぎりできるだけ赤坂の街づくりを応援しましょう。一緒にやりましょう。」というわけです。 その日の酒代は、もちろんわたしの懐から出ました。商店会(当時)の接待費を充てたわけではありません。 商店街振興組合 エスプラナードアカサカ 理事長 城所 ひとみ 商店街振興組合エスプラナードアカサカ 〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-5 赤坂クインビル4階 TEL:03-5561-9125 FAX:03-5561-9128