城所理事長コラム 〜第23回〜 「通りを『ルミアート』で彩ることにしました」 普段フットワークがよいと、せいぜいおだてられるわたしです。ここは調子に乗って、頭のフットワークをきかしてみよう、と。 そう、そして「変圧器を障害物と思うから、なんとかして取り除きたい、目障りな物は隠したい」と考えるのだけれど、たしか変圧器のことをピラーボックスともいうらしい、そのカタカナ感覚で発想を転換してみることにしたのです。 つまり、では変圧器ならぬピラーボックスを、ひとつシャレ込んで「その身だしなみを装ってみては、いかが?」と考えました。 そうだ、それを道路脇のモニュメントにしたら・・・と思いついたのです。 われながら奇抜なひらめきだとは思いましたが、とにかく、そういうモニュメントとして活かす道はないかと、例によって商店会の人たちに尋ね、わがシンクタンク「トーク赤坂21」のメンバーに諮りました。私自身も、友人、知人を頼って、教えを乞いました。 そういうなかから、「いっそ芸術にしたら?」というアイデアは浮かび上がりました。そのために、ルミアートなる手法があることも知りました。 ルミアートというのは、近紫外線という特殊な蛍光灯の電飾効果を使った芸術手法だとのことです。あらかじめ特殊な塗料(ルミライトカラー)で絵を描いておき、それに光(ブラックライト)が当たったときに色鮮やかに発光して絵が浮き立って輝くというのです。 このルミアートに、わたしは飛びつきました。これまではインテリアとして採用されていたというけれど、これをエクステリアとして使って、なんの不思議があろうか、と。ましてや赤坂は、夜の顔も持っています。夜、それが輝けば、いっそう華やかになるにちがいありません。 ルミアートの技術面を専門に取り扱う「シンロイヒ」という会社を紹介されて、さっそく訪ねて聞きますとその特殊塗料の絵は昼の光では目に見えず隠れていると知りました。 ならば昼は昼で、ピラーボックスの表面に通常の塗料でおしゃれな絵を描いておけば、多少は道路沿いの画廊にもなるだろうと予想できました。 赤坂は、昼の顔と夜の顔を持っています。昼はサラリーマンやOLが働き、ランチタイムはごった返します。夜は、それら紳士淑女が憩う街。そんな赤坂の街にうってつけの、昼と夜の両方の顔を持ったルミアートでした。 さらに考えを巡らせて、その表面をアートなキャンパスにした方よい、と思いました。 そう、いまのエスプラナード赤坂通り(旧・赤坂田町通り)に七個あるピラーボックスは、まさにアートです。施工してもらったシンロイヒさんにはデザイナーもいるとのことで、注文を出して絵を描いてもらいました。 昼間は、白いキャンパスに描かれた貴婦人が一匹のプードルを連れて散歩しているシルエットが目に映ります。 夜は、そのシルエットの背景から、例えば東京タワーの夜景やレインボーブリッジがルミアートで、まさにライトアップされて浮かび上がってきます。貴婦人の足元には、プードルの数が増えているではありませんか。 これがエスプラナードアカサカ通りの名物になればいいのになぁ、と夢見ます。人々が、歩きながらピラーボックスに目を止め、ふっと憩う気分になったらいいなぁと思います。 夜のルミアートでは、七個のピラーボックス全て背景が異なります。となると、わざわざ見て歩いていただけるかもしれない。そうなったら街に回遊性が生まれるのになぁ、とも考えています。 商店街振興組合 エスプラナードアカサカ 理事長 城所 ひとみ 商店街振興組合エスプラナードアカサカ 〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-5 赤坂クインビル4階 TEL:03-5561-9125 FAX:03-5561-9128