城所理事長コラム 〜第17回〜 「ひどい無料ゴミの実態をどうするか」 ゴミ問題をテーマにシンポジウムを開くからには、事前ゴミにゴミの実態を知っておかなければならないと、有志で朝7時頃から赤坂の街を周り、出されているゴミの種類や量をつぶさに調べて歩きました。いちいちゴミ袋を開けて、捨てられている残飯や割り箸のじつに多いことも目の当たりにしました。 赤坂には、この土地に住んでいる人がほとんどいなくて無料で回収する家庭ゴミというのはほとんどなく、出るのはもっぱら事業系のゴミです。 事業所ゴミについて東京都は、その出すゴミの量を一日平均十グラム以内は無料回収と規制しているはずでした。だいたい「一日平均十グラム以内」とは、随分アバウトな話だと思いますし、十キログラムを超えていたらどう取り残すというのでしょうか。そもそも回収時に、そのようにチェックできるよでもいうのでしょうか。とにかく実情は、その規制がまったく守られていませんでした。 事業所ゴミも家庭ゴミと同様に捨てられ、そしてそのまま回収せざるをえないというのが実情でもあります。とにかく、ひどいゴミの出し方で、ため息がでてしまいました。 こうした実態を踏まえて、わたしはシンポジウムの席で、「東京都がやっておられるのは無料ゴミを回収するというものですが、ちゃんと決まった時間までに道路に出しておかないとゴミを持っていきませんよ、よいうことでもあります。道路に出しておきなさい、そうすれば時間がきたら回収しますよ、というそういう東京都方式では、ゴミがカラスの餌食となって、そてこそ道路にゴミが散乱しっぱなしです。しかも、へたすると回収の時間も午後になって、昼にはサラリーマンたちがゴミの山の中でご飯を食べるという有様です。飲食店もたまったものではありません」と現場で見て歩いた報告をしました。 そのうえで、「じつは何軒かの大きなビルのオーナーがすでに実践なさっているのですが、特定のゴミ回収業者と契約して有料で持っていってもらう方法があります。契約による有料方式ですと、それこそビルの中も奥深くまで入り込んで集めて回収してくれる、そういう非常にありがたいメリットがあるのです。そこが、失礼ですがお役所仕事のタダ方式と大違いです。いかがでしょう、ゴミ回収を有料化したら・・・」と付け加えました。 商店街として、ありがたい有料方式という方法があるのを全員に推奨しても、一方で行政による無料でのゴミ回収が行われているからには、やはり多くがタダ方式に乗るのは、残念ながら当たり前といえば当たり前のこと。あいにく不心得者がいる以上、なんらかの抜本的な改革が必要と思われました。そうした状況を踏まえてのゴミ回収有料化を提案してみたのでした。 これにはシンポジウムに出席していた東京都の関係者も仰天されたようで、思わず「そんなことを商店街の方がおしゃって、いいんですか。市民サイドからそういう提案を頂いたのは、初めての経験です」と問い返されていました。それぞれのパネラーも、そこからは立場を超えての白熱した議論が交わされ、また会場からも次々と手があがって発言があり、それはもう一大フリートーキングの場となりました。 商店街振興組合 エスプラナードアカサカ 理事長 城所 ひとみ 商店街振興組合エスプラナードアカサカ 〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-5 赤坂クインビル4階 TEL:03-5561-9125 FAX:03-5561-9128