城所理事長コラム 〜第16回〜 「トーク赤坂21発案の公開シンポジウム」 トーク赤坂21は、ある種の異業種交流会のような趣がありますが、この場合「赤坂の街」というのがキーワードで、アカサカの街に関っている人間が赤坂の街のためになにかしようじゃないかと集まっている会です。 そういうなかから、実際に赤坂の街を変えることになった契機が生まれたケースも少なくありません。 私が赤坂田町通り会の会長になった平成二年は、西暦でいえば一九九〇年です。九〇年代に入って、とりわけ東京のゴミ問題が深刻化すkるのですが、そのゴミ問題に東京都がおかしな行政対応をしたのが九〇年代の冒頭でした。 東京都は、ゴミ回収業者に発泡スチロールや一斗缶の持込に高い廃棄料を課したのです。ご存知のように発泡スチロールというのは、軽いけれど、えらくかさばる物です。そういう意味で厄介なゴミですが、その発泡スチロール一立方メートルにつき一万五千円を回収業者に課そうとしたのです。 そのツケが、わたしどもに回ってきました。というのは、回収業者はわたしども商店街で出るゴミの中から発泡スチロールや一斗缶だけを取り除いて、その他のゴミだけを回収するようになったのです。 朝、ゴミ回収車が去ったあとには、路上に、それらかさばるゴミだけが大量に残されたまんま・・・。 というわけで、たとえば地下鉄の駅から地上に出てくると、目の前に発泡スチロールなどのゴミが山積みされているという、そういう光景を通勤客が目の当たりすることになりました。 これでは「赤坂で暮らす」サラリーマンたちにとって、朝から嫌な想いに駆られてしまいます。そういう不満の声が、トーク赤坂で噴き出しました。 そして、その場で「ゴミ問題を採りあげようよ」と衆議一致しました。さっそく鹿島建設のTさんが「それなら恰好の人がいる」と、次の例会に早稲田大学政経学部長のY.K教授を連れてこられたのです。 Y教授は環境問題の権威、つまりゴミ問題の第一人者とのことです。例会にこられた先生は、初めお義理で顔をだしたのだというような印象で、興味があるのかないのか、ただ坐っておられるだけのようでした。 あくびを噛みころしておられるようなY先生の様子が気になって、ここで何か空気を変えなければ・・・と、わたしは「東京都のゴミ行政は、ゴミが出る現場を見ていないのではないのではないかと思います。私ども住民、市民に、ただツケが回ってくるじゃありませんか」と出席者の誰にともなく語りかけました。 そうしたとたんです。Y先生がパッと目を見開き、そして「あなたいいこと 言うね。それだ、東京のゴミ問題は東京都のゴミ処理場である江東区の夢の島を採り上げるのは当たり前だけど、都心の赤坂でゴミ問題か・・・いいねぇ、それでいこう。そのツケの問題も含めて本格的に取り組んでみようよ」と大きな声でおっしゃるではありませんか。 それからというもの、しばらくトーク21の例会は毎回「ゴミ問題」がテーマになりました。 そのようにY先生が腰を上げられたことで、九二年(平成四)二月に、トーク赤坂21の主催で、サントリーホールを会場に「赤坂・ゴミ・リサイクル」という公開シンポジウムを大々的に開くことになりました。 コーディネーター役はY教授、パネラーとして東京都清掃局のゴミ専門担当官である大久保副参事や都市問題研究家、各種業界の代表などにでていただき、わたしも主催者としてパネラーに加わりました。 商店街振興組合 エスプラナードアカサカ 理事長 城所 ひとみ 商店街振興組合エスプラナードアカサカ 〒107-0052 東京都港区赤坂3-10-5 赤坂クインビル4階 TEL:03-5561-9125 FAX:03-5561-9128